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10年業務やってるリーマンのISO9001講座 ④内部監査

 9.2 内部監査

9.2.1  組織は、品質マネジメントシステムが次の状況にあるか否かに関する情報を提供するために、あらかじめ定めた間隔で内部監査を実施しなければならない。

a) 次の事項に適合している。
 1) 品質マネジメントシステムに関して,組織自体が規定した要求事項
 2) この国際規格の要求事項
b) 有効に実施され,維持されている。

9.2.2 組織は,次に示す事項を行わなければならない。

a) 頻度,方法,責任、計画要求事項及び報告を含む,監査プログラムの計画,確立,実施及び維持。監査プログラムは,関連するプロセスの重要性、組織に影響を及ぼす変更、及び、前回までの監査の結果を考慮に入れなければならない。
b) 各監査について,監査基準及び監査範囲を定める。
c) 監査プロセスの客観性及び公平性を確保するために,監査員を選定し,監査を実施する。
d)監査の結果を関連する管理層に報告することを確実にする。
e) 遅滞無く、適切な修正を行い、是正処置をとる。
f) 監査プログラムの実施及び監査結果の証拠として,文書化された情報を保持する。

 

 簡単に説明すると、

・組織はあらかじめ定めた間隔で、内部監査をすること。

・内部監査は、1)自分達の組織のルールに則って運用されているか、2)ISO9001の要求事項に適合しているか…についてチェックすること。

・内部監査のプログラム(=計画)を策定すること。内容はa)を網羅すること。

・監査の基準や範囲を決めて実施すること。すなわち「今回は○○を重点的にチェックする」など、部署や製品・サービスを限定することもOK。(必ずしも全社を監査する必要はないということ)

・内部監査は、その能力を持つ監査員を選定して実施すること。

・監査の結果は管理層に報告すること。

・監査の結果、不適合や改善すべき事案が発見された時は、速やかに適切に是正すること。

・監査のプログラムから監査結果や是正処置まで、内部監査の記録は文書で記録を残すこと。

という感じです。

 

 

私の会社を事例として、内部監査をどのように実施しているかを説明すると、

 

内部監査は年に2回行うようにしています。(9.2.1)

 

当然、社内の規定や手順に則って業務を行っているかと(9.2.1a-1)、ISO9001の要求事項に適合しているかの確認を行います。(9.2.1a-2)

 

10年以上ISO9001を運用しているとa-2は当然適合しているはずなので、ここに貴重な時間を割くよりも、前回の内部監査や顧客監査で受けた指摘事項に対して改善の活動を行っているか(9.2.2a)など、PDCAが推進されているかという点に注力する方が有意義な内部監査になると思います。

 

2,3年前までは、内部監査は部署を選定して行っていましたが(9.2.2b)、人と言うのは監査の緊張感が間延びすると手抜きをしがちになるので、最近は1日掛けて全部署を対象に実施するようにしています。

 

私の勤め先には、明確な品質保証部門が存在しません。第3者視点で社内を監視する部門がないわけなので、全部署が自分の部署以外の部署を監査するようにしています。ISO認証機関が開催するセミナーを受講したものを内部監査の監査員資格者とし、資格者から内部監査についての知識を学んだものも監査員の資格者としています。(9.2.2c)

 

内部監査の運用状況としては、

ISO事務局(=私)が内部監査プログラムを作成しています。日程調整、監査部署の組み合わせ、監査時の重点項目などをプログラムに盛り込んでいきます。

プログラムが承認されると全部署に配布して、監査当日に活用する監査チェックシートを部署ごとに作成してもらいます。部署毎に主任監査員を選定してもらい、チェックシートの作成責任や監査時のリーディング、監査報告の責任者になってもらいます。

 

 内部監査を実施した後は報告書を作成します。報告書は監査先である部署にまず公開し、"監査で確認された事項が間違いなく記載されているか"の相互確認を取ります。あること/ないことを報告書に記載しないための行為です。確認が取れたら管理責任者へ提出します。(9.2.2d)

 

監査時に不適合などが検出されたら指摘し、報告書にも記載し、日限を決めて是正を促します。(9.2.2e) 大きな逸脱行為が検出されることはないので、「もう少しここをこうすると良くなるのでは」という、第3者視点でのアドバイスである"改善の機会"について報告書に記載するようにしています。改善の強制力はありませんが、アドバイスについて取り組めば組織がまた一歩前進するわけなので、重箱の隅をつつくようなことでもドンドン指摘するような風習作りを心がけていますw

これらの記録は紙媒体とデータで残すようにし(9.2.2f)、今後の活動に役立てるように取り扱っています。

 

…というように、引用文の要求事項にモロ当てはまるような形で内部監査を運用しています。

品質保証部門のような第3者的役割が組織にあれば、監査員はその部門が行えばシンプルです。監査対象となる業務部門の"監査の準備をしなければならない"という負担も生まれません。

私の会社のように、業務部門も監査役になることのメリットは、自分達以外の部門を見ることで、組織全体の繋がりを内部監査をキッカケに把握できることが挙げられます。中小企業ではこのような取り組み方をされる会社が多いのではないかと思います。

 

 

内部監査の成功は、どれだけ第3者視点で監査できるか…という点がキモだと考えます。身内に甘くなる、あるいはトップからの指示のまま従うという状態が続けば続くほど、社会的な問題に発展するものです。

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組織の利益を追求したいのは理解できますが、安心・安全・高品質が約束されない組織から世間が離れていくのは当たり前です。利益どころか企業の存続も危ぶまれます。

 

経営層を含め管理層の皆様には、まず"風通しの良い組織環境づくり"に力を注がれることを強く進めさせて頂きます。異論・反論を受け付けない雰囲気では、活発な意見交換はできなくなり、組織に甚大な被害を与えるかもしれない報告がなされなくなる可能性だってあるわけです。

組織を俯瞰的に見る目が増えれば、不正・不具合の是正ももちろん、成長のチャンスを見つけることも増えるわけです。活発な意見交換がなされる内部監査の運営を、皆様もぜひ心がけてみてください。