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JFAこそISO9001を理解すべき

ハリルホジッチ氏がサッカー日本代表監督を解任され、4/27に会見が開かれました。

www.footballista.jp

 

私はサッカーの熱狂的なファンではありません。しかし、私も高校生まではサッカー小僧だったし、サッカーだけでなくオリンピックなど様々なスポーツで、日本の選手が活躍するのを楽しみにしている一人ですので、ファンでなくても今回の解任劇は驚かざるを得ません。

ハリルホジッチ氏の言葉にある通り、氏を含め私達は解任の理由についての情報があまりにも少ないです。あるのはハリルホジッチ氏の言葉や、監督の下でプレイした選手たちの氏に対する評価なので、この記事はJFA(日本サッカー協会)を批判する偏向的な内容になってしまいます。恐らく誰もがそうなると思います。

 

この記事は、ハリルホジッチ日本代表監督の解任から、私が「JFAこそISO9001を理解すべき」と思う理由を挙げていきます。

だからこそ、今回のハリルホジッチ氏の解任についてJFA側は説明をする必要があると思います。

 

JAFを企業として設定

ISO9001は「組織品質」についての認証と理解してよいです。

ここではJFAを企業として置き換えて考えたいと思います。社長に相当するのはJFAでは会長です。日本代表監督は、会社では部長クラスでいいでしょう。

人事的にも、大きな目標に向かって進む点も、企業もJFAも大差ないと思いますので、このままISO9001の解釈に進めさせていただきます。

 

トップマネジメントの要求事項

「ISO9001の理解」と言ったものの、この解任問題については「トップマネジメントの責任が果たされていない」点が色濃く出ていると私は捉えています。ISO9001の要求事項において、トップマネジメント(=経営者)についての要求事項が、組織全体の要求事項とは別の章立てになっている点で、経営者の責任の重要性が物語られていると私は思います。

さて、JAFのトップマネジメントは会長です。ISO9001がトップマネジメントに要求するのは下記のとおりです。

a) 品質マネジメントシステムの有効性に責任を負う。

b) 品質マネジメントシステムに関する品質方針及び品質目標を確立し、それらが組織の戦略的な方向性及び組織の状況と両立することを確実にする。

c) 品質方針が組織内に伝達され、理解され、適用されていることを確実にする。

d) 組織の事業プロセスへの品質マネジメントシステム要求事項の統合を確実にする。

e) プロセスアプローチに対する認識を高める。

f) 品質マネジメントシステムに必要な資源が利用可能であることを確実にする。有効な品質マネジメント及び品質マネジメントシステム要求事項への適合の重要性を伝達する。

g) 有効な品質マネジメント及び品質マネジメントシステム要求事項への適合の重要性を伝達する。

h) 品質マネジメントシステムがその意図した結果を達成することを確実にする。

i) 品質マネジメントシステムの有効性に寄与するよう人々を雇用し、指揮し、支援する。

j) 継続的改善を促進する。

k) その他の関連する管理層がその責任の領域においてリーダーシップを実証するよう、管理層の役割を支援する。

 さすがに組織のトップとなると、実行しなければならないことが多くなり、責任は重いものとなっています。

 

a) 品質マネジメントシステムの有効性に責任を負う。

組織が対外的にも内部的にも上手く機能する(させる)ことに責任を持て、ということになります。

JFAにとっての対外的影響を与える対象=顧客は、サポーターを含むサッカー関係者・組織、あるいはもっと幅広い範囲でいえば日本国民全員とも言えます。

内部はJFAの職務に携わる人です。監督だったりコーチだったり選手だったり、メディカルスタッフ含め縁の下の力持ち役を含む人たちです。

特に顧客ともいえるサポーターの要求は、「日本代表がワールドカップで優勝すること」が最大級の望みになります。顧客の要求にかなうよう、JFAを上手く運営していくことがJFA会長の責任と言えるでしょう。

※これから「品質マネジメントシステム」という言葉が頻発しますが、「組織運営の仕組み」とか「会社が」(この記事内では「JFAが」でも良いです)に置き換えて読んでいただくと分かりやすいと思います。

 

b) 品質マネジメントシステムに関する品質方針及び品質目標を確立し、それらが組織の戦略的な方向性及び組織の状況と両立することを確実にする。

「品質目標」は、組織が生み出す製品やサービスについての、組織としての目標です。一般的には顧客が要求するものとマッチした目標設定になるはずです。パンを食べたいと思っている顧客に、自動車を製造販売する会社が目標を立てても意味がありません。

先にJFAの顧客はサポーター(など)と挙げたのはそのためです。日本サッカーの勝利に対してJFAは目標を設定すべきといえます。

ここで、JFAがどのような目標を掲げているか見てみると、

JFA2005年宣言 ~DREAM 夢があるから強くなる~|JFA|日本サッカー協会

リスペクト|サッカーファミリー|JFA|日本サッカー協会

JFAグラスルーツ宣言|サッカーファミリー|JFA|日本サッカー協会

上に挙げたような宣言がなされています。

JFA2005宣言では、数値的目標として「2015年には世界トップ10」や「2050年までに、サッカーを愛する仲間を1000万人に、日本でワールドカップを開催しそこで優勝する」と掲げられています。

外部からパッと確認できたのはこれくらいですので、他にも理念や目標があるかもしれませんが、素晴らしい目標が設定されていることは解りました。

後はその目標に向けての過程で行われる、“戦術的な方向性と組織の状況を両立”することをJFA会長は確実にする必要がある…ということになります。

今回の解任劇が“戦術的な方向性”であるとして、ワールドカップを間近に控えた“組織の状況”に相応しい判断だったのかは疑問に残ります。

 

c) 品質方針が組織内に伝達され、理解され、適用されていることを確実にする。

JFA外部の人間の私が、JFAの目標を簡単に見つけられたわけですから、先の目標は選手を含め、JFA組織全体に周知されているのは当たり前とみてよいでしょう。

「理解されているか」という点について、JFA会長視点では「ハリルホジッチ氏は理解しなかった」という判断なのか、解任という判断です。しかし、ハリルホジッチ氏の会見を見る限り、日本代表の勝利を目標とし、チームと選手の育成をしていたハリルホジッチ氏が、別の目標に向かっていたとは考えにくいです。

目標は、JFA宣言も監督も同じ方向に向いていました。なぜ解任に至ったのかという説明責任がJFA会長にあると思います。

 

d) 組織の事業プロセスへの品質マネジメントシステム要求事項の統合を確実にする。
e) プロセスアプローチに対する認識を高める。

これらの項は今回の記事にあまり関係ないので割愛します。プロセスアプローチについてを今回の件に乗せて書きたかったですが、プロセスアプローチの説明が必要になるため生地も長くなるのでやめておきます。

 

f) 品質マネジメントシステムに必要な資源が利用可能であることを確実にする。有効な品質マネジメント及び品質マネジメントシステム要求事項への適合の重要性を伝達する。

日本代表の勝利という目標に対しての「資源」には、選手や監督という「人」も含まれています。ハリルホジッチ氏の後任の監督が、目標達成のための有効な人事になることを期待します。

ちょっと話はズレますが、ハリルホジッチ氏の会見の中に、「オフィスがなかったのでオフィスを要求した」とありました。世界では監督にはオフィスが提供されているけど、これまでの日本サッカーでは、監督にオフィスがなかったということです。“サッカーチームの監督業にはオフィスが必要”ということを教えて頂いたことは、JFAはいい勉強をさせてもらったと言えるのではないでしょうか?

 

g) 有効な品質マネジメント及び品質マネジメントシステム要求事項への適合の重要性を伝達する。

この項はトップマネジメントが「ISO9001の要求に適合することが重要だ」と組織全体に理解させること…という内容であるので割愛します。

 

h) 品質マネジメントシステムがその意図した結果を達成することを確実にする。

JFAが、日本代表の勝利を達成すること”を、会長が確実にする。…と読み替えることができます。当然のことです。会長あるいはJFA組織のどちらかが、日本代表の勝利を考えてないってことはないと思いますが。。。

 

i) 品質マネジメントシステムの有効性に寄与するよう人々を雇用し、指揮し、支援する。

会長が、JFAが日本代表の勝利に向かって円滑に進むと考え、新監督を雇用した、というのが今回の結果です。トップマネジメントとしての役割は行っているといえます。

(結果はこれからなので、判断については評価できませんし、組織が目指す目標は外部要因により達成できないこともしばしばです。あくまで“目標達成するための人事を行うこと”がトップマネジメントの役割である、ということです。)

 

j) 継続的改善を促進する。

PDCAを促進させることがトップマネジメントの役割です。少なくとも常日頃から選手のことをチェックし分析し、改善を促していたハリルホジッチ氏は、チームや選手のPDCAを推進していたことは、会見の内容から伺えます。JFA全体のPDCAはどうなんでしょう。。。

 

k) その他の関連する管理層がその責任の領域においてリーダーシップを実証するよう、管理層の役割を支援する。

“その他の管理層”は今回で言えば“監督”です。「監督の責任の領域においてリーダーシップを実証するよう、監督の役割を支援する」のがJFA会長の役割です。

ハリルホジッチ氏の会見では「会長にしても西野さんにしても、『ハリル、問題があるぞ』と一度として言ってくれなかった」とあります。この点においてJFA会長からの支援がなかったというわけです。これでは「気に入らないから解任した」というパワハラに近いものを感じてしまいます。

 

任命責任」という言葉を耳にしますが、ISO9001の要求事項から、“責任の領域を定めて役職に任命し、その役割を達成することを支援する”ことが任命した人の役割、それが任命責任だと理解できます。政治や実社会で、責任を取って辞任とか“トカゲのしっぽ切り”で責任を負わせるみたいなシーンがありますが、責任はその前に発生しているのです。部下のサポートが上司の責任なのです。

 

 

以上が組織運営において、トップマネジメントに要求される事項になりますが、掻い摘んで言うと、

トップマネジメントは

・組織の目標を立てる

・目標を組織に周知し、達成に向かって組織を指揮する

・目標達成のためのあらゆる手当、支援を行う

・対内外に、組織代表としての責任を負う

  という感じになります。

 

 

JFAはISO9001を理解すべき

今回の会見にある、JFA会長からハリルホジッチ氏に“一言も説明がない”という点について、組織のトップに相応しい行動なのかが疑問です。

また、監督に対しての“リスペクトがない”ともハリルホジッチ氏は言われています。リスペクト|サッカーファミリー|JFA|日本サッカー協会 に掲げられた理念はなんなのでしょう?

「フェアで強い日本を目指す」。リスペクトは、世界からも認められた日本が誇る価値です。

 このようにも書かれていますが、トップ自ら理念に反する行動をしているのではないでしょうか?世界的にも功績を残されているハリルホジッチ氏を解任したJFAによって、日本は世界から「フェアでもなければリスペクト精神もない」国と評価されるでしょう。

 

トップマネジメントについて言及しましたが、ハリルホジッチ氏と確執のある選手が2名いると言われています。チームの方針に不満があるのであれば、監督の指揮下にある以上、選手の立場から対案を出すことが必要です。そのような議論があったかは定かではありませんが、ハリルホジッチ氏の会見の内容では「コミュニケーションに問題はなかった」旨が含まれています。仮に2名の選手が監督を越えて、会長に何か申し立てをした結果がこの度の解任であったならば・・・、サポーターや国民が望んでいない結果が、個人レベルの意見が招いたものだったならば・・・、JFAはすでに組織としての機能は持っていないと言えます。

 

顧客の望まない結果、目標を曲げた行動、機能していない組織。。。

真っ当な運営を行うためにも、JFAはISO9001を理解し活用すべきだと思います。

 

 

JFAは、日本サッカーの目標が何で、そのために本来すべきことは何かを、組織として今一度改める必要がないかと私は考えます。ISO9001やドラッカーのマネジメントに、目標達成のための理念やツールが盛り込まれていますので、この記事を読まれた組織に属する方も是非学んでみてください。(私もまだまだ勉強不足なので、記事の理解で誤っている点がございましたらご指摘頂けたら幸いです)

長文・駄文失礼しました。